【手術症例Case5】5歳 モルモット乳腺腫瘍の自壊 両側切除術
2025/5/9
【症例】5歳 雄 モルモット
【主訴】突然胸部から出血をおこしたという主訴で来院されました。
【検査】全身の視診と触診による検査を行いました。
モルモットは両側に一対の乳腺があるのですが、この症例は右側の乳腺が腫瘍化し、表面から出血を起こしていました。また左側の乳腺は出血はないですが、腫瘍化していました。
【治療】このまま様子を見ると、出血と疼痛を繰り返し、弱っていくことが予想されるため、飼い主様とご相談の上、乳腺切除のOPEを行いました。
左右の乳腺をそれぞれ切除し、皮膚にかかる張力を分散するように工夫して皮膚縫合を行いました。


【術後経過】術後、術部を気にすることもなく、元気に牧草を食べる様子を確認できたため、当日に退院できました。
手術後の病理検査では悪性の乳腺癌という診断でした。現在、転移と思われる病変はなく、元気に過ごしています。今後も定期的に経過を追って見させていただきます。
【総括】今回の症例のように、小動物の場合、体表にできた腫瘍から出血が大量に出たり、痛みが強く元気食欲が低下したりと、全身の状態を悪化させることが多くあります。
特にモルモットでは、雄にも乳腺腫瘍の発生が認められるため、普段から注意して、胸にしこりがないか確認して下さい。
体に急にしこりが見つかった、以前からあるしこりが大きくなり気にしているなど、気になる状況がありましたら、当院までご相談下さい。

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